Y-NOTE by KENTMIYAZAKI

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2007年 03月 23日

真面目な大連紀行

先日、中国の大連に行きました。
福岡空港から、約2時間。グーグルで見た航空写真そのままの港の風景が飛行機から見えるともう着陸です。
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大連は 旧満州の中心地で、当時の日本の建物は 今も現役で残っています。
それらの建物は細かなディテールまで忠実に西洋建築デザインで建てられ現在でも荘厳で堂々とした風格を携えています。
一目で決して日本では出来ないような労力と資金で造られていることが 見て取れます。

皆さん「過去に日本と仲の悪かった時期があることは学校の授業で知っている」そうです。

現在は大手家電メーカーから地方の食品加工工場など 日本企業が多く進出し多くの雇用も投資もあり、共存共栄しているように見えます。個人的な内心は複雑です。

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今回私たちは日本との取引も多い家具工場や、建材センターなどに行きました。

家具工場では日本の設計事務所から 大口の発注が入ってました。 
(去年は日本のレストランの椅子100基を3週間で納品したそうです。すごい生産力です!)
東京や大阪などでは すでに珍しくないようです。

この工場でも ドア10枚くらいから造ってくれるそうです。
自分たちでデザインしたものが製品になるなんて設計者としてこれほどの幸せはありません。
実際の大阪の内装会社とやり取りしている図面も見せてもらい、自分たちでも可能か話してきました。

乗り越えなくてはならないハードルはたくさんありますが、面白そうです。

次に 私たちは 大連市が運営する「大連出国人員訓練センター」を訪れました。
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ここでは、常に100人程が日本の企業に 就職するため、3ヶ月間、厳しい寮生活の中で 日本語や日本の習慣を学んでいます。多くは大連市近隣の農家の出身者で金銭的に学校に行けず、海外経験でのキャリアップを目指す人たちです。ただしここに入学するためには平均賃金の約6か月分の授業料が必要です。href="/cgi-bin/topics/upimage/11746202662.jpg" target="_blank">


授業写真の皆さん 来月には 日本の静岡、山梨、石川の縫製工場や部品工場、食品加工場での就職が決まっているそうです。

彼らは就職と言いますが 日本側の扱いは「中国からの研修生」です。
現在 日本では中国人研修生を 3年間だけ受け入れる、制度があります。
本来 「日本の先端技術を勉強して中国で活かしてください」という制度です。

そのため日本では「研修生」という名目上 工員として同じ労働をしても 日本の法律で定めた 65000円の賃金しかもらえません。
彼らがどんなに優秀でも 3年間の研修期間が終わると、解雇、帰国させられ 2度と同じ目的で入国できません。それでも彼らにとって3年間で得る収入は中国の平均的な賃金の16年分に相当するのです。

重労働の職人不足に悩む 都会の建築現場にもその波は来ていると聞きます。

多くの経営者がこのようにして働いている人たちを、安い労働力としか見ないことが多い以上、双方の利害が同等に一致しているとは言い難ですし、
「研修生制度」自体は素晴らしい制度なのに、政府の思惑と 利用する人間の思惑がこれほど掛け離れているにもかかわらず 利害が一致するのも珍しいように思えます。


センターの副所長との会談では
「本来、彼らは真面目で、日本で働きたくて 日本に溶け込もうと真剣に努力している ことを理解してほしい」と訴えていました。

中国人の悪いニュースが流れることも少なくないです。でも、ほとんどの人たちは純粋に夢を持って日本に来ています。まさか、今でも 中国人を差別する日本人が多くいることなど知らずにです。

出国前の希望に満ちた彼らの真剣な眼差しを見て心が痛みました。
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by kent_yano | 2007-03-23 14:59 | 住宅建築家「Y」のノート


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