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Y-NOTE by KENTMIYAZAKI

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2010年 12月 19日

断熱材の話

先日、現在計画中の奥さまから断熱材について質問があった。

「SGーBOX で採用された 羊毛断熱材とグラスウールの違いと合わせてセルロースファイバーなどについて性能や価格、環境についても教えてください」という内容だった。

断熱材についての総括のようなレポートを簡単に書いたので、この機会に皆さまにも御報告。


以下

断熱材について


断熱材についていろんな評価のしかたがありますが、施工する側が区別すると、
その施工方法により二つに大別できます。
工場で造られ、現場で大工さんが施工する          【工業製品グループ】
原材料・施工機械を持ってきて現場で一棟づつ施工する  【原材料現場施工グループ】
の二つです。

特徴性能は?(これは住宅建築家矢野としての意見です。それぞれの専門家はそれぞれ一番の意見があると思います)


【工場製品グループ】

○グラスウール断熱材(ガラス繊維)
グラスウールの日本シュアがどれくらいあるのか正確に把握はしていませんが、ダントツに高いというより殆どがグラスウールです。
その大きな理由は、
軽い・形が自由になる・施工性が優れている・燃えにくい・製品自体安い。(また軽く圧縮できるので運搬費も安いです)
等が上げられます。基本的に大工さんが施工します。
一時、湿気を吸ってカビが生えるなどと言われたりしましたが、原因は高気密高断熱住宅の特徴的現象である壁体内結露に対する施工不良が原因で、耐水性の高いグラスウールが悪いわけではありません。
ので、包まれた防湿シートのまま施工する又は、防湿フィルムで補うなどの注意が必要です。
ロックウールも略同じ特性を持ちます

○ポリスチレンフォーム系
スチレンフォームがボード状に加工され運ばれて来ます。大工さんが施工します。
水にぬれても断熱性能が変わりにくい断熱材として 外部にも使える。
しかし、隙間が出来たら補修しづらいし、白アリが好きだしと施工性は今一。(だと思う)
外貼り断熱として寸法通り全面に貼るならいいと思うけど、隣家の火事で中だけ溶けたらと思うとなかなか使いづらい。
蓄熱性の高い鉄筋コンクリート造に一番向いてると思う。



【原材料現場施工グループ】

○セルロースファイバー

使用済みの古紙、新聞を粉砕 ホウ酸処理したものを現場にて 吹き付け 又は 充填 する方法。

○アイシネンなど
基礎原料のレジンを現場で壁に直に吹き付け、化学反応で発泡させる方法(施工後は完全無害と言われる)
その他の発泡系断熱工事は発泡や吹き付けにガスを使用するのですが、
アイシネンは 空気を発泡させ固定化するので無害で理想的だとされます。
北海道などは気密性も高まることから人気があると聞きます。
いづれも現場施工で隙間なく充填され熱欠損が少ないというのが最大の利点です。

いずれも、科学的に難燃性を持たせてあります。



【工場製品&原材料現場施工グループ?】


○羊毛断熱材

グラスウールやロックウールのような現場での施工性・お手軽さと、現場吹き付けのような熱欠損が少ない性能確保のし易さを併せ持つような断熱材。
ニュージーランドの羊の毛そのままですから 完全自然素材な上に 永続的建築材料として 環境貢献度はピカイチです。
ホウ酸処理してあるので防虫性もバッチリ、沢山敷き詰めてバフッと飛び込みたいです。(グラスウールだとチクチクしてとんでもない事になります)
しかも湿度を吸放出するので部屋は快適になるし、
その他の断熱材のように防湿層フィルムを使わずとも壁体内結露を起こさないので
仕上げのビニールクロスで湿度を止めるのがもったいない位です。
しかもしかも、ジャンボジェットの床断熱にも採用されるほどの難燃性能と自消性(火が点いても自分で消える力)が高いと聞くと・・・。
断熱材としては理想に近いと感じます。


【コストは?】

通常 建図宮崎で確保する 次世代省エネルギー仕様工事(一般よりコストかかってます)の
グラスウールを 1 とした時
ポリスチレンフォーム 1.75倍
アイシネン  3.75倍 
セルロースファイバー  高いとだけ覚えています。アイシネンと同じくらいだった記憶が・・・。
羊毛断熱材は  2.66倍

30坪から40坪くらいの住宅で 約20万円前後のプラスとなります。


断熱材は沈黙の建材と言われ一度施工すると換えることはありません。
健康や環境を考えた建材を検討するのは 当然なのかもしれません。
只、断熱材は 高いから 性能にも環境にも 優れているとは言いきれないように思います。
断熱性能は熱伝導率と厚さによって決まり、宮崎の温熱環境においてはどの断熱材を使っても目標性能に達します。
特に2X4高気密高断熱住宅では壁からの熱の逃げは少なく、むしろ窓の性能を高めた方が家全体の断熱性能は上がります。
ここが悩ましいところです。
加えて環境への考え方は人それぞれ、断熱性能は同じであるならプラス何を求めるかは個人次第。

あるご主人は
「性能が一緒で壁の中に20万使うならリビングにマッサージチェア買う」
とおっしゃられ、もっともだと思いました。
また別の奥さまは
「見えないところ、変更が効かないところだからこそ良いものを採用したい。」
とおっしゃられ どちらも正解だと思いました(笑)

断熱材の巻でした。


誤字脱字などは寛大な御心でお許しください(^^)
㈱建図宮崎
矢野崇幸

# by kent_yano | 2010-12-19 07:29 | 住宅建築家「Y」のノート
2010年 12月 14日

sugger-Base

花山手SUGGERーBaseの内覧会を開催いたします。
花山手という宮崎でも特別な住宅地に立つクラフツマンスタイルの洋館。
敷地面積42坪。南に面した7、5メーターの間口に納められた家族思いの家。
実はお施主様と建図宮崎の出会いは5年を超えます。
いろんな紆余曲折があってようやく迎えた完成内覧会。
ず―――ーっとケントを好きでいてくれた事に感激です。
その間にお子様も大きくなっちゃって、家族の生活スタイルも決まって、さてこれから次のステージへの第一歩。
バイク好きの御主人の重いの詰まった一棟になりました。
是非、お越しください。

# by kent_yano | 2010-12-14 14:09 | 日常の「Y」
2010年 12月 03日

家の『まっちゃん』2

以前、スージーズーの『ぶーふ君』に『まっちゃん』と名付けた我が娘がテレビを見ていたら、

「あ〜、まっちゃーん!何でテレビに出てると?」
と驚いた声。
見るとケンタッキーフライドチキンの宣伝でした。

このおとぼけはネタか?
笑ったけど(^^)

# by kent_yano | 2010-12-03 22:30 | はははhの「Y」
2010年 11月 24日

Y-baseの話

Y-Base がようやく完成し、後は外柵や作庭のみとなりました。
この家を見ると、土地探しの条件を少し変えてもいいかなと思うはずです。
今回のプロジェクト
【敷地条件と 家族が豊かになる住宅の条件が別である事の解答を出したケントらしい住宅】と言えます。

先ず、この45坪の土地は 間口わずか7.8M、奥行き20Mの東西に長――イ形状で
売りに出したけど 長く全然売れなかった土地でした。
なぜなら元々古いアパートが建ち並び、隣地の東南北 三方向とも敷地境界ぎりぎりにまで二階建が建てられ、結構な圧迫感を放つ上、 南からの光は一見望むべくもない状況なのです。
唯一交通量の多い西側の道路からは道を隔てて4階建て病院官舎の垣根の緑が見えるのが救いなくらい。一般的には全く興味もわかない土地だったでしょう。

得られるのは、その緑と西日・東西風・パッシブソーラーには全く向かない条件。

『ならば逆説的パッシブソーラー?ハウスを造ろう。』
得られない太陽の恩恵を補うために内部熱を大切にしよう。
こんな土地でも降り注ぐ天空からの太陽熱は利用しよう。
でもサーマルルーフによって室内への熱は遮熱して小屋裏も広がりを演出する空間構成の一部として有効に利用しよう。
元々、望めない一階の太陽光。 
ならば、京都の町屋のような『通り庭』を造り、風の心地好さを感じる空間とし、
二階の開放感を演出するためのデザインに活かそう。
しかも、この空間はだれもが懐かしいと感じ、いつでも来訪者を迎える空間として
この空間こそ 緊張感を持って造ろう。
手の届きそうな燐家の窓。 目線を隠し 光を取り入れる窓としよう。
何より生活動線を犠牲にしない、 【狭いからしょうがないと言わせない】空間を造ろう。
他にも、二階の木壁の浴室、吹き抜けのリビング、吹き抜け一面の高さ3.8Mの本棚と、中空の渡り廊下、鉄製手摺、完全オリジナルのオークのキッチンには 業務用ガスコンロ と IH調理器
などなど、生活を楽しむ為のいろんなノウハウと挑戦も満載。
特に木製デッキを望むリビングから眺める借景の緑は【敷地の狭さ】や【南からの光が入らない家】である事を完全に忘れさせてくれます。
結果、説明しなければこの家がそれだけのハンディを持っている事など微塵も感じない家となりました。

加えて この家の挑戦はデザインだけではありません。
テレンス・コンラン卿の【構造の安定が計られなければデザインを楽しむことはできない】の言葉通り
宮崎初の 自社設計による2X4木造3階建てで、最高耐震等級の『3』を取得した【長期優良認定住宅】なのです。
2X4のリーディングカンパニー建図宮崎の設計力・施工技術の高さを結集しました。
もちろん、市街地でも安心の 【省令準耐火建築仕様】で【高気密高断熱】
【省エネルギー性能】も最高等級『4』を取得。この家全体を14畳用のクーラーで補い 同じ容量の床暖房で冬を過ごすという、試み。 これも正当なる【パッシブソーラー住宅】です。

豊かな家を造る為に土地が絶対でない事を証明する家が出来たと思います。
(この土地の取得費は清水町でありながらハンディがある分 1050万円 でした)
是非この機会にゆっくりとご覧ください。

㈱建図宮崎
建築設計・意匠設計 矢野崇幸

# by kent_yano | 2010-11-24 10:51 | 住宅建築家「Y」のノート
2010年 11月 06日

パッパアメリカーノ?

ここ数日ネットラジオで聴いて以来、何とも気になるこの曲。
基礎情報も何もないのだけれど・・・。

ネットによると、既に今年の夏には海外のさまざまな国でトップ5に入っているらしい。
「ウンダバダッキビーティーダーバネーナ。シードロビーチィウーナマケーナ・・・・・パッパアメリカーノ」
そもそも何語?
御存じの方いらっしゃったら、なんか情報ください。

Yolanda Be Cool & DCUP というグループ?の

『We No Speak Americano 』








聞いてしまう・・・。

# by kent_yano | 2010-11-06 18:25 | 日常の「Y」